【ロサンゼルス五輪2028】巨額投資とホームレス問題の真実とは?

2028夏季ゲーム・スタジアム スポーツ・アート

2028年、ロサンゼルスは3度目となる夏季オリンピックの開催地となります。​史上最多の50以上の競技、800以上のイベントが予定され、世界中から1万5,000人以上のアスリートが集結する見込みです(​LA 2028)。

オリンピック開会式は 2028年7月14日パラリンピック開会式は2028年8月15日の予定です。

約3年に迫ったその華やかな舞台裏で、巨額の投資とホームレスという問題に揺れているようです。探ってみたいと思います。

ロサンゼルスオリンピック2028のテーマはノービルド・オリンピック

ノービルド(新規恒久施設を建設しない)方針を掲げるLA28組織委員会は、既存インフラの活用と改修を中心に大会準備を進めています。​

例えば、UCLAのキャンパスを選手村として活用し、すべての選手を受け入れる予定です。16,000人のキャパがあり、夏季のため一時利用が可能です。立地が良く、警備もしやすい上、ノービルドの方針に沿った運用が可能だとされています。

主な会場はこちら:LA 2028 Olympics: Mapping the sites of the Los Angeles Summer Games

進められるインフラ巨額投資プロジェクト

その一環として、連邦政府から約9億ドル(135億円)の資金を確保し、メトロ鉄道システムの拡張や地域社会の再接続といった重要なインフラ強化が計画されています。 ​

Source:Planetizen

競技施設への投資計画はこれから

インフラの他に、既存施設の大規模改修や仮設施設の設置には多額の投資が必要であり、その財源や予算超過のリスクについては市民から懸念の声が上がっています。​

一部の批評家はノービルド・オリンピックは、理想論に過ぎないと指摘しています。実際パリ・オリンピックも同様の方針でしたが、最終的には予算が倍増しました。

平均的なオリンピックでは予算が172%オーバーすると言われており、ロサンゼルスは当初の予算は約50億ドルでしたが、過去の例から最終的には70~90億ドル(1000億~1350億円)に膨らむ可能性があるとみられています。

オリンピックへの賛否

毎度のことですが市民の間では、オリンピック開催に対する意見が分かれています。

  • 賛成派:​「都市のインフラが整備され、経済が活性化するなら歓迎する」
  • 反対派:​「ホームレス問題が悪化し、財政負担が増大するのではないか」

LA28組織委員会は、持続可能で包括的な大会運営を目指すとしていますが、実際の施策がどれだけ市民生活や社会問題の改善に寄与するかは未知数です。​

NOlympics LAというオリンピック誘致反対運動があります。2017年にアメリカ民主社会主義者協会(DSA)ロサンゼルス支部の「住宅とホームレス問題」委員会によって立ち上げられました。

この連合は拡大し、ロサンゼルスおよびカリフォルニアを拠点とする20以上の提携団体を含むまでに成長しました。更に世界各地の数十の団体と連携する国際的なムーブメントへと発展しています。

進まないホームレス問題と対策

ロサンゼルスでは、2023年の調査でホームレス人口が前年比9%増の約7万人に達し、市内でも10%の増加が報告されています。

​この背景には、高い住宅費、経済格差、精神保健サービスや薬物依存治療の不足などが挙げられます。

​オリンピック開催に向けて、都市の美化や観光客への対応が優先される中、ホームレスの人々が市外へ追いやられるのではないかという懸念があります(​LAHSA)。

ロサンゼルス市は、一時的・恒久的な住居の提供、医療・心理・就労支援ホームレスの予防支援地域コミュニティとの連携などの対策を進めていますが、効果は表れていません。

未来の社会のために何に投資をするのか

オリンピック・パラリンピックは一時的なお祭ではなく、開催後も開催都市に長期的な影響を与えます。

個人的には、市も国も巨額の投資が許される機会を利用して、深刻なホームレス問題にも取り組むべきと思います。

世界一のスポーツの祭典の舞台が否定されるような傾向は好ましくないです。アスリートには罪はありませんから。

メディアはアスリートの栄光や富にスポットライトを当てることに熱心ですが、格差や貧困問題の追及にも真剣に取り組んでもらいたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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