beabadoobee(ビーバドゥービー)とは?フィリピン生まれのZ世代シンガーの軌跡

お父さんからギターをもらうbeabadoobee エンタメと文化

beabadoobee(ビーバドゥービー)が4月に行われたコーチェラ・フェスティバルに出演しました。今年はベンソン・ブーン、エド・シーランやレディー・ガガなど超豪華アーティストも出演して話題になりました。

今回は、「beabadoobeeとは誰か?」という素朴な疑問に答える形で、彼女の出身・経歴・成功の裏側まで、知られざる物語を探ってみたいと思います。

フィリピンからロンドンへ:移民少女の原点

beabadoobee、本名Beatrice Laus(ベアトリス・ラウス)は、2000年、フィリピンのイロイロ市に生まれました。

Photo: MikJinn Travel and Tours Facebook

わずか3歳のときに家族とともにイギリスへ移住し、ロンドンで育ちます。移民として異国で暮らす彼女にとって、音楽は安心と表現の拠り所でした。​

英語が母語ではなかったことや、文化の違いからくる疎外感もあり、幼少期は内向的で、絵や音楽に没頭する時間が多かったと語っています。​

高校時代の孤独と、音楽との出会い

思春期を迎えると、カトリック系の学校生活に悩みが増え、成績にも苦労の日々が続きました。”ちょっとした問題児”で、かなり反抗的だった彼女は学校を退学となってしまい、精神的にも不安定になったそうです。

そして17歳のときに初めてギターを手にします。

お父さんがギターを家に持って帰ってきて、『これを弾いてみな、きっと幸せになれるよ』って言ってきたんです。私は『うん、まあ、わかる』って答えて…そして本当にそうなりました!」(GMA NEWS ONLINE

YouTubeで見よう見まねにコードを覚え、わずか数週間後には自作曲「Coffee」を録音し、SoundCloudにアップロードしました。​

ギターとの出会いとこの1曲が彼女の人生を変えたんですねー。シンプルなメロディーと透明感ある歌声は、瞬く間にSNSでシェアされ、インディーレーベル「Dirty Hit」の目に留まります。

音楽業界の壁と、失敗からの再起

beabadoobeeは契約後すぐに脚光を浴びたかというと、そうではなかったようです。彼女自身も「急に周囲の期待が膨らみ、プレッシャーに押しつぶされそうだった」と振り返っています。

初期のEP制作では自分の音楽性が見失われそうになり、一時は制作に悩む時期もありましたが、アナログ音源や90年代のギターロックに回帰しながら、自分らしい音を模索し続けました。

2020年に発表したデビューアルバム『Fake It Flowers』は、彼女の葛藤と再生の記録でもあり、多くの若者の共感を集めました。​

世界のフェスに引っ張りだこ:beabadoobeeの現在地

beabadoobeeは、名実ともにZ世代のアイコンとして、世界中の音楽フェスに出演しています。

今年のコーチェラ、ロラパルーザサマーソニック(2025年8月)など、世界的に有名なステージで演奏し、そのたびに新たなファンを獲得しています。​

2022年には、彼女が7歳の頃に想像した架空世界「Beatopia(ビートピア)」をテーマにしたアルバムをリリース。

この作品はコロナのロックダウン中に制作され、彼女が自分探しをした結果たどり着いたものだそうです。その音楽性の幅広さも証明しました。​

そして2024年、リック・ルービンのプロデュースによる「This Is How Tomorrow Movesをリリース、「Beachesは大ヒットとなり、彼女の名を世界に広めることになりました。

このリック・ルービンと彼女の対話は面白いです。超大物プロデューサーを前に、まったく動じない24歳の彼女の大物ぶりが伝わってきます。

因みにリック・ルービンはDef Jamレコードというレーベルの創始者で、Run-DMC、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、アデルなど数々の歴史的アーティストをプロデュースしてきました。

そしてこれから:beabadoobeeの描く未来

beabadoobeeは今、新たなプロジェクトに取り組んでいます。音楽だけでなく、ファッションブランドとのコラボや、ビジュアルアートとの融合、さらには映画音楽への挑戦も検討中だと言われています。​

その創造力と感性は、音楽の枠を超えて、同世代を中心に大きな影響を与え続けています。

まだ24歳、あっという間にスターになったので、キャリアを振り返る時間はないでしょう。更に走り続けて進化を見せて欲しいと思います。


まとめ

beabadoobeeの曲作りは、幼い頃に家で流れていたフィリピンの歌謡曲やヒット曲の影響も大きいようです。

彼女は「子どものころから、周囲と違うことに自信が持てなかった」と話をしています。異国の地で色々な辛い経験をしたのだと思います。(GMA NEWS ONLINE

そして今は「フィリピン人であることを誇りに思う」と、逆境を乗り越え自分の立ち位置を明確にしたようです。「成功を目的にするのではなく、好きなことを地道に続ければ、成功は後からついてくる」ー この謙虚なマインドが、多くの人の心を打つのだと思います。

まだ彼女を知らなかった方も、ぜひ一度、その世界観に触れてみてください。先ずはBeachesをおすすめします。


1999年、私は初開催のコーチェラ行ったのですが、まだ小規模でステージや演出も今のように大掛かりではありませんでした。

でもアーティストが近くで見れて良かったです。Beckやケミカル・ブラザーズなどが出演していたのを覚えています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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