MLBキャリア年数ランキング|投手・野手・日本人別トップ選手5選

イチローのバッティング前の姿 スポーツ・アート

メジャーリーグは、世界の野球選手にとって夢の舞台です。しかしこの舞台でどれだけ長くプレーし続けられるかは、選手によって大きく異なります。

選手が現役でプレイできる期間は何年か、投手と野手のトップ選手、日本人選手はどうなのか。MLBの選手生命について、探索してみたいと思います。

現役キャリア年数は平均約5-6年

MLB選手の平均キャリア年数は、約5-6年とされています。これはメジャー昇格後の在籍年数の平均であり、日本のプロ野球の7-8年と比べるとに短い印象を受けます。

特に1年以内に引退や降格となる選手も多く、昇格できたこと自体が大きな壁の突破と言えるでしょう。

一方で、10年・20年とトップレベルを維持し続ける「長寿選手」も存在します。ここではその代表例を、投手・野手に分けて紹介します。

長期現役キャリアの投手トップ5

投手は肩や肘の負担が大きく、選手生命が短くなる傾向にあります。平均は5年前後ですが、更に短いケースも多いそうです。

それでも20年近く活躍を続けた投手もいるんですね、驚きです(2000年以降にデビュー)。

選手名主な所属チームポジションプレイ期間
ジャスティン・バーランダータイガース、アストロズなど先発2005年〜現在
ザック・グリンキーロイヤルズ、ドジャースなど先発2004年〜2023年
CC・サバシアヤンキース、インディアンスなど先発2001年〜2019年
クレイトン・カーショウドジャース先発2008年〜現在
オリバー・ペレスメッツ、ダイヤモンドバックスなど中継ぎ2002年〜2022年

これらの選手は、優れたコンディション管理や投球スタイルの進化によって、長く第一線で活躍してきました。特にバーランダーやカーショウは、現役でありながら今なおローテーションを守り続けており、驚異的な存在です。

37歳のカーショウは先日、通算3000奪三振の記録(史上20人目)を達成しましたね。

長期現役キャリアの野手トップ5

野手はポジションによって体への負担が異なりますが、一塁手や指名打者は比較的キャリアが長い傾向にあります。

野手の平均選手生命は約6年ですが、20年近く活躍した野手のトップ5は以下です(2000年近辺にデビュー)。

選手名主な所属チームポジションプレイ期間
アルバート・プホルスカージナルス、エンゼルス一塁手/DH2001年〜2022年
ミゲル・カブレラマーリンズ、タイガース一塁手2003年〜2023年
デヴィッド・オルティスレッドソックスDH2000年〜2016年
エイドリアン・ベルトレレンジャーズ、ドジャースなど三塁手1998年〜2018年
デビッド・ライトメッツ三塁手2004年〜2018年

これらの選手に共通するのは、安定した打撃成績とクラブハウスでの存在感です。長打力や打率の高さに加えて、チームを支える精神的な柱としての役割も果たしてきました。

長期現役キャリアの日本人選手トップ5

日本人選手の場合、メジャーで10年以上プレーする例は限られますが、それでも複数の選手が長期にわたり活躍をしています。

選手名主な所属チームポジションプレイ期間
イチローマリナーズ、ヤンキースなど外野手2001年〜2019年
上原浩治レッドソックス、オリオールズなど中継ぎ/抑え投手2009年〜2017年
黒田博樹ドジャース、ヤンキース先発投手2008年〜2014年
ダルビッシュ有レンジャーズ、パドレスなど先発投手2012年〜現在
田中将大ヤンキース先発投手2014年〜2020年

イチローさんは19年という驚異の長期在籍を実現し、野手としてのキャリアではMLBでもトップクラスの記録保持者です。

ダルビッシュも現在なお現役で、40歳近くまで投げ続ける可能性がある数少ない日本人投手です。彼も体調管理に相当気を付けていますね。

長寿選手の共通点とは?

これらの長寿選手に共通しているのは、次のような点です。

1. ケガを防ぐための徹底した身体ケアとリカバリー習慣

ジャスティン・バーランダーは40歳を超えても現役を続ける理由として、コアの強化手術後に身体構造を再構築し、毎日のリカバリーを重視しているとされています 。

また、彼自身も「寝るのが一番シンプルで効果的」と発言しており、睡眠重視で体調管理していることを明かしています 。

イチローさんも「肩入れ・股割り」ストレッチを欠かさず行っていましたね。また、身体を柔軟に保つために、過度な筋トレはしなかったと話していました。

2. 年齢に応じたプレースタイルと戦術の進化

MLB全体でも、「最近はスポーツ医学やデータに基づくトレーニングのおかげでキャリアが延びている」という調査結果があります 。(Major league baseball career length in the twentieth century

投手では速球一辺倒ではなく、緩急や変化球を駆使する“曲がらない投球”への転換が見られ、キャッチャーや野手でもスイングバランスや守備位置を調整する選手が増えています。

例えばクレイトン・カーショウやCC・サバシアも、投球フォームを年齢に合わせて微調整しながら安定した成績を維持しています。彼らのような多様性を持つ選手が現役寿命を延ばせているのは明らかです。

3. メンタル面・モチベーションの維持

バーランダーはただの現役選手ではなく、指導者として若手へのアドバイスも担う存在になっています。サンフランシスコ・クロニクルの記事によれば、「情熱はまだ消えていない」「若手のメンターとして励みになる」とチーム側から評価されており、精神的支柱として信頼されています 。

MLBには「全てをやるのではなく、常に準備する者が勝つ」という格言があります。多くの長期に活躍する選手の発言として「調整を続けることが成功の鍵」 が有名ですが、柔軟に自らを変え続けられる力が長期現役には不可欠です。

バーランダーは専門の理学療法士や、家族・スタッフからの支えがキャリアを支えていると公言しています 。近年では、選手のパフォーマンスを維持・向上させるために、専門家チームを編成しサポートするのが当たり前になった気がします。

キャリア年数の背景にある強い意志

MLBにおいて、5〜6年という平均寿命の中で、10年・20年とプレーを続けることは容易なことではありません。食事と怪我は表裏一体なので、今のスポーツ選手は特に気を付けていることでしょう。

昭和のプロ野球選手は、試合後に徹夜で酒を飲んで、翌日二日酔いで試合に出た、なんて武勇伝は何度も聞きましたが。身体の作り方からして、現代スポーツとは根本的に違うのだと思います。

現役年数が長ければ良いというものではありませんが、長期=パフォーマンスが良い証です。長くプレーした選手の背後には、見えない努力と家族やファンの支えがあるのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

資料:Baseball-Reference.com – Most Seasons Played

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