コレクションの趣味はありませんが、サントリー純生のあき缶を大切に保管しています。父親が飲んだものを珍しいデザインに惹かれて取っておいたものです。ネットで検索しても情報は得られず、サントリーが何のためにこれを販売したのかは不明です。恐らく1980年代のものと思いますが、84年のロサンゼルスオリンピックに合わせてつくったのかもしれません。現在の「サントリー生ビール」のルーツとなるブランドです。
スポーツをテーマにしたデザイン
私が持っているのは野球とヨットのイメージがシルエットで描かれたデザインです。他のスポーツのデザインが存在したと推測します。缶の色と絵柄のシルエット方式は共通ですが、「SUNTORY純生」の商品ロゴのサイズが違います。あまり細かいことに拘らない、伸び伸びとした良い時代だったのでしょう。

驚くほどシンプルな製品表示
製品表示法がかなり緩やかだったこともわかります。表示スペースは缶の一番下で、記載内容は「ビール」「容量」「製造会社名」と「ご協力とお願い:あき缶は必ずあき缶入れかくずかごにお入れください」だけです。原材料名が非表示で良かったというのは、これまた緩やかな時代だったのでしょう。
現在の酒類製品は「お酒」であることを強調し、「栄養成分」「原材料名」等々、文字情報満載で、デザイナー泣かせな時代だと思います。

今はなきプルタブ方式の開栓
缶の飲み口はプルタブと言われ、リングの付いたフタを取り外して開ける方式です。これはポイ捨てを促すとされ、環境問題・社会問題となり廃止されました。

現在使用されるタブと缶が一体となったステイオンタブは画期的な方法ですね。日本では1990年頃に環境先進国であったアメリカから伝来され、デザインやファッションとしてもオシャレで消費者からも歓迎されたと記憶しています。