最近、韓国の映画を観たり小説を読むことが増えました。娘のK-Pop好きの影響もあり、文化的な面での勢いに興味を持ったからです。そんな中で気づいたのは、タメ口(パンマル, 반말)が頻繁に話題に上がることです。
これは韓国社会における儒教の影響が大きく関係しているようですが、果たして日本との違いはあるのでしょうか。
尊敬語(ジョンデマル)と儒教の考え方
韓国は歴史的に儒教の価値観を重視してきた国であり、その影響が今も人間関係のあり方に強く反映されています。特に上下関係や礼儀を重んじる文化が根付いており、言葉遣いにも厳格なルールがあります。
- 年齢と序列を重視
韓国では年齢が非常に重要な要素であり、会話の際にまず相手の年齢を確認するのが一般的です。年齢が分かれば、どの敬語を使うべきか判断しやすいからです。 - 尊敬語(ジョンデマル, 존댓말)の使用
目上の人や初対面の相手にはジョンデマル(尊敬語・丁寧語)を使うのがマナーです。これを守らないと、相手に対して失礼であるだけでなく、自分の品位も疑われることになります。 - 関係性が築かれるまで時間が必要
日本でも親しくなるまで敬語を使う文化がありますが、韓国ではそれ以上に慎重だそうです。たとえ仲良くなっても、目上の人に対してパンマルを使うのは相手から許可されるまで待つのが一般的とのこと。
タメ口(パンマル)を使うのはどんなとき?
- 友人同士:同年代で親しい関係なら、パンマルを使うことが一般的です。
- 年上が年下に話すとき:上司が部下に、先生が生徒に、親が子に話すときなど、立場が明確な場合はパンマルを使うことが許されます。
- 関係が深まり、相手が許可したとき:目上の人でも「タメ口でいいよ」と許可すれば、パンマルに移行することがあります。
フラットなコミュニケーションを好む若者の増加
一方、若者同士(MZ世代=ミレニアル+Z世代)では、パンマルを使うことが増えています。特に、オンライン上やカジュアルな場では尊敬語を使わない傾向が強くなっているようです。
- グローバル思考:海外渡航経験の増加や海外で活躍するアーティストの影響による、欧米式のコミュニケーションの浸透。
- デジタル社会の影響:SNSやオンラインゲームでは、年齢関係なくカジュアルな言葉遣いが主流。
- 価値観の変化:「年齢よりも実力が大事」「年上だからといって必ずしも敬うべきではない」と考える人が増えている。(受験や就職の激しい競争の影響だと思います。)
伝統を重んじる年配世代とのギャップが広がる傾向はどこの国でも同じですね。そして時代の流れに逆らうことは難しいことでしょう。

何だかんだで日本と同じですね。日本は儒教とか言わなくても、昭和的思考や体育会ではまだ根強く残っているし、殆どの人が上下関係や礼儀には気を付けて生活していると思います。
もし初対面の人にタメ口をきいたら、喧嘩を売ってんのか!となるでしょうから。
ちなみにソン・ウォンピョンの「プリズム」という小説にもタメ口についての言及がありました。
ソウルの男女4人の目線で淡々と展開する恋愛ストーリーで、それぞれの心の探り合いが上手に書かれています。
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