日本では中国、台湾の人の名前・地名の読み方は、「漢字表記」「日本字音読み」を原則としています。メディアでは毎日中国のニュースが報道され、仕事で中台の方とやり取りをする中で、彼らの名前の読み方については常に違和感を感じています。世界では中国人の地名・人名は原音読みであるため、早急に時代の流れに適応する必要を感じでいます。
戦後、原音読みが導入されるも再び日本語読みに
資料によると、以前は原音読みのカタカナを使用していたが、紆余曲折を経て元の日本語音読みに戻しています。原音のカタカナ表記と漢字の併記が見にくく複雑という理由でした。
- 明治35年11月:当時の文部省が、「中国・朝鮮の場合は従来の漢字表記・日本語音読みの慣用をとる」とのルールを決める。
- 昭和23年10月:NHKが地名・人名の原音読み・カタカナ表記を実施。視聴者からの反対により、漢字を併記する。
- 昭和24年8月:文部省はマスコミに同調し教科書での地名・人名は原音読みに変更。
- 昭和28年9月:NHKを含むマスコミは、漢字表記・日本字音読みに戻す。
放置され進まない議論
2007年に外部の放送用語委員会と用語委員会で、現在のNHKの原則について議論が行われましたが、この時既に現実的で良い意見が出ていました。その後のアップデート情報はありませんが、我々の次の世代のことを考えて議論を進めるべきだと思います。
- 地名と人名を分けて考え、人名のみ原音読み・カタカナ表記にすることを考慮すべき(井上由美子委員)
- 日本字音読みは中国人とのコミュニケーションを阻害する、一歩踏み出しても良い(天野祐吉委員)
- 他国(の人名)は音をカタカナで書くのに、なぜ中国だけ特別にしたのか。日本人の都合を優先するのは疑問(清水義範委員)
- 中国で自分の名前を中国語読みで呼ばれても、自分だという気がしない(荻野綱男委員)

中国語にはカタカナで再現できない音もあるので、専門家を含めた実現に向けた議論が必要と思います。
これからは否が応でもアジア圏の人とのお付き合いが増えてきます。日本は欧米の文化・言語をカタカナによって、自然に取り入れてきました。中国の地名・人名を日本語で発音するのは日本人だけです。同じアジアの言語について、少なくとも同じ漢字でも発音が違うと認識する努力をしても良いと思います。