朝食は納豆、味噌汁と白米というルーティンを続けていますが、ここに欠かせないのが沢庵です。日本人にとって沢庵は最も親和性が高い食品のひとつであり、これを食べることで充足感や幸福感で心が満たされることを実感します。これが無いと朝食を食べた気がしないのは、あの独特の風味と食感にあると確信しています。奥歯で「ポリポリ」噛む感触と音は心を落ち着かせ、脳内にセロトニンが生成されるのがわかります。
糠(ぬか)で発酵させる伝統的な製法
沢庵(たくあん)は、日本独自の漬物で、江戸時代初期に誕生したとされています。名前の由来には諸説ありますが、江戸時代の臨済宗の僧侶 沢庵宗彭(たくあん そうほう) が考案した、あるいは広めたことから「沢庵漬け」と呼ばれるようになったという説が有名です。
現代の沢庵は大きく分けて伝統的な製法の「干し大根の沢庵漬け」と、工場生産された浅漬けタイプの沢庵があります。これまでに数多くの商品を試してきましたが、現在は糠(ぬか)を発酵して作られた干し大根の沢庵に定着しています。大量生産の浅漬けタイプには、ほぼ必ずと言っていいほど人工甘味料や保存料が使用されており、不自然な甘さが私の口に合わないからです。
美味しくて手頃な価格の沢庵を探して
干し大根の沢庵の流通量は減少し、東京では簡単に入手することはできませんが、それでも家から2㎞県内に幾つかの選択肢があります。在庫が切れると食卓の雰囲気も悪くなる(殆ど中毒)ので、今どこで何を売っているという情報にもアンテナを張り巡らせています。
そんな中で最もお世話になっているのが皆さんもご存じの「アキダイ」です。2月の今は嬉しいことに、神奈川県産(398円)と薩摩産(450円)の2種類が販売されています。どちらも奥深い味や香りがあり、しかも大根1本丸ごとでこのお値段というのがうれしいですね。スーパーで売られている浅漬けタイプは遥か少量(大根半分やそれ以下)で300円はしますが、こちらは倍かそれ以上のボリュームですのでお買い得間違いなしです。秋葉社長、いつもありがとうございます!


干し大根の沢庵にも弱点が無いわけではありません。季節により販売されていないことや、発酵が進みすぎたものを買ってしまうことがあるからです。しかし失敗してもあのコスパ&満足感を超えるものは無いので、これからも沢庵の安定調達に勤しみたいと思います。
日本食料新聞によりますと、我が国の漬物市場は2023年で3653億円とのことです。沢庵の市場規模はデータの公表がありませんが、シェアが高い順に「醤油漬け類」「キムチ」「浅漬け類」だそうです。沢庵は「糖漬け類」に分類され、近年の生産量は減少傾向とのことです。将来は自分で漬けることを考える必要があるのかもしれませんね。