ここ数か月、有料動画配信サービスで話題作品を見て、印象に残った共通点は「出血シーンが多いことと演出方法の進化」です。
「地面師たち」「イカゲーム」「SHOGUN」のどれを見ても銃撃や刺傷シーンが当り前に登場し、それが作品のインパクトや評価と無関係ではないことがわかります。昔に比べ技術の進歩も目覚ましく、それを支える方々の存在に興味を持ちました。
出血シーンが多いのはなぜ?
私はこのような出血や痛いシーンは正視できないことが多いです。我々は普段暴力や殺人を恐れ、否定するのに映画やドラマではなぜそれが提供され続けるのか不思議です。
心理学的には見ることで感情を解放(カタルシス効果)や怖いもの見たさ(ドーパミン増加)などの効果があり、映像産業もそれを踏襲してきたと言われます。
人間が根本的には平和と安全を求めるという考えは不変と信じますが、単に視聴者獲得競争の激化と共にエスカレートしているのではと思います。

血や傷を効果的に見せるプロフェッショナル
彼らは鼻血から切り傷、刺し傷、銃創から血しぶきまで何でも扱う「血や傷」のプロフェッショナルです。血の色や粘度、ダメージの再現には妥協がなく、普段どのように研究開発をしているのか興味があります。
彼らの存在と努力なくして現代のエンタメは成立しないと言っても過言ではありません。
ではブリード・エフェクト – Bleed Effectsやスクイブ・テクニシャン – Squib Technicianと呼ばれる専門家のタイプをクイックに見てみたいと思います。
- スクイブ(小花火)技術
- 小花火と血のりを仕込んだ装置を使い、銃撃で血が噴き出すようにする技術(Air Squib)
- 電気信号で起爆することでリアルな被弾を表現
- プロステティック(人口補装)
- シリコンやフォームラバーを使用して、弾痕や刺し傷をメイク(Embelish FX)
- 血の噴出エフェクト(Blood Rigging)
- ポンプや圧縮エアシステムを使い、血の飛び散り方を演出

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実はホラー映画が好きなので、これは潜在的に気になっていたテーマです。個人的には職業にしたいとは思いませんが、彼らのような専門家が日々努力を重ねていることに敬意を表したいと思います。