山形県の白鷹というところで年末を過ごしました。西方向に移動するより交通も空いているだろうということで、人生初の山形旅行となりました。大宮から山形新幹線で山形県の「赤湯」を経て同「長井」までフラワー長井線という道のりです。福島辺りから車窓は雪がちらつく白銀の世界へと変わり、期待値は上がっていきました。
ローカル線で行く人生初の山形
フラワー長井線は親近感のある良い名前ですね。1車両運行のローカル線で普段は地元の通学がメインではないかと思います。車体が様々なデザインでラッピングされ更に期待値は上がりますが、車内やシートは昭和のままというアンバランスさも地方ならではの魅力と思いました。


ほっこりするフラワー線ですが、降り立った長井駅のモダンで立派な建物には更にびっくりしました。2021年に長井市役所の本庁舎と駅が一体化され、近代化されたとのことです。自治体の庁舎と鉄道駅の一体化は全国初らしいです。
白銀の世界に佇む源内邸
静寂の土蔵メゾネットと暖かいサービス
長井駅からタクシーで20分ほどでNIPPONIA 白鷹 源内邸に到着、ゆっくりお茶をいただきながら館内チェックイン。客室は土蔵をリフォームした「真紅」というメゾネットで、90㎡のゆったりした部屋です。この部屋のアクセントは大正時代の巨大な耐火金庫がで、スタッフの方はツアーガイドさながら部屋のコンセプトや装飾品の説明をしてくれました。

この施設の特徴的なのは、それぞれの客室は独立した建物にあり、ダイニングにも歩いて移動することです。客室には静寂とプライバシーが担保され、食事は一緒にするという面白いコンセプトです。客室でビールと山形産フルーツジュース、ミネラルウォーターが無償で提供されるのも嬉しいサービスですね。
味噌蔵ダイニングでフレンチと和のフュージョンを愉しむ
さて、私の一番の目的である食事と地元の酒です。こちらのディナーは「料理とお酒のペアリング」が基本で、料理の内容に合わせた地元の日本酒やワインが提供されます。料理がサーブされる毎に、丁寧に素材の説明とお酒の説明をしてくれます。


馬肉のステーキに山形産赤ワインのペアリングが最高に美味しかった!お酒、ワインはシェフが地元の蔵や酒造会社との人間関係により調達されているとのことで、ネット検索にも出てこない一期一会のお酒が提供されます。


朝食は沢山の地元野菜、食材を使った和食です。どれから手を付けるか迷うほどの品数と盛り付け、クオリティにとても満足しました。普段は朝食すら食べない娘も完食していました。因みにこのダイニングは元々味噌蔵だったそうです。窓がないのですが、天井が高く静かにゆったりと食事を愉しむことができました。
滞在の3日間、スタッフの方々の食と酒に対する情熱とコミットメントには頭が下がりました。「ここでしか味わえない・体験できない」という価値提供は、地域の差別化の源泉であり財産であるとつくづく思いました。次は暖かい季節の食材を愉しみに来たいと思います。
