大谷翔平選手の人気上昇は留まるところを知らず、更に昇り続けていますね。現在開催されているメジャーリーグの開幕戦は、会場に行かずともその人気を肌で感じることができます。
試合のテレビ中継では翔平選手のスポンサー広告が多数放映され、まるでオリンピック並みの騒ぎに見えます。
翔平選手のスポンサー契約総額は100億円を超えたようなので、少し探索してみたいと思います。
日本人の3人に1人がMLB開幕戦を観戦!
3月18日のMLB開幕戦は、いったいどのくらいの国民が注目したのでしょうか?
ドジャース×カブスの開幕戦は、平均世帯視聴率が31.2%でした。人数にすると約3600万人、国民の約3人に1人が観たことになります(視聴率1%=118万人で計算)。
やはり国民的関心事と言って問題ないですね。テレビ以外の視聴者もかなり多いと想像します。
First W of the season! #TokyoSeries pic.twitter.com/gvi9MoRgu5
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) March 18, 2025
野球ファン人口はスポーツ界最大
野球ファンの数も見てみましょう。日本のプロ野球ファンの数は減っていますが、日本代表やMLBファンの数は増加傾向です。こちらも大雑把に国民の4~5人にひとりという規模ではないでしょうか。
- 日本のプロ野球チームのファン人口:2,210万人(国民の18%)
- 野球日本代表のファン人口:2,670万人(国民の20%)
- MLBのファン人口:1,133万人(国民の9%/前年比23.8%増、5年連続増加)
資料:マクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2024年スポーツマーケティング基礎調査」
加熱するスポンサー間の競争
現在の翔平選手のスポンサー企業は、三菱UFJ銀行、日本航空、SEIKO、、伊藤園、ECC、西川、興和、Dip、日清製粉ウェルナ、ダンロップ、ニューバランス、ポルシェ、セールスフォース、ヒューゴ・ボス、デサント、ワコール、セコムなど22社に上ると言われています(3月19日現在)。
本来スポンサーシップとは、有名人のイメージを利用して企業のビジネスを活性化させる手法です。これだけスポンサーの数が多いと、結果的に消費者は翔平選手しか記憶に残らないのではと心配になります。
広告の投資効果は企業やブランドと翔平選手の結びつき・連想で計測されます。結局は沢山広告したもの勝ちなので、企業は出稿量を積み増す必要があります。広告会社は丸儲けですが。
スポンサー企業が多すぎることによる弊害は?
多くの企業が翔平選手に幅広い層へのアピールを期待していますが、それが効果を発揮するかはわかりません。翔平選手にとっても、自身のアイデンティティーや信念とは何か?という問題を突きつけられているような気がします。
なぜかと言うと、スポンサーの扱う商材やターゲット層のごちゃ混ぜ感が強いからです。1000万円のポルシェと150円のお茶を同じアイコンからお勧めされても、どっちがリアリティがあるのか消費者は混乱するでしょう。
マーケティングでは一般的に、商品やサービスのターゲット顧客の理想像(人物像)をペルソナとして設定します。例えば「成功した40代のビジネスマン、既婚、アクティブで行動範囲が広く、休日は軽井沢の別荘までツーリングに行く」などがポルシェのペルソナです。

ポルシェのターゲット層とお~いお茶のターゲットはまるっきり違い、ポルシェのペルソナにはペットボトルでお茶を飲むシーンは決して出てこないでしょう。
とは言え、幅広いターゲット層に影響力のあるイメージアイコンとして成立してしまう翔平選手の人気は化け物です。
翔平選手とスポンサーを結びつけるエージェントは誰?
翔平選手は基本野球に専念したいので、本人の希望でスポンサーを増やしているわけではないと個人的には思います。では誰が翔平選手をこれほど忙しくさせるのでしょうか?
翔平選手はクリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー(Creative Artists Agency: CAA)というタレント事業のエージェントに属しています。

この会社はアメリカ・ハリウッドに所在する、世界最大のタレント代理エージェンシーです。創業者のマイケル・オーヴィッツ氏は、ウォルト・ディズニーの社長も務めたことで有名です。
実はCAAの日本事業は吉本興業が担っています。お金儲けが上手い吉本がスポンサー集めに汗を流しているのでしょう。
CAAにはトム・クルーズやブラッド・ピットが所属し、日本人では、西島秀俊やYOASOBIなどが所属しています。
【発表】YOASOBI、大谷翔平ら所属エージェンシー「CAA」と契約https://t.co/NPWMzY46sa
— ライブドアニュース (@livedoornews) April 23, 2024
「Creative Artists Agency」はアメリカの大手エージェント会社で、俳優の西島秀俊など、グローバルに活躍する日本人タレントも所属している。さらに、8月にニューヨークとボストンで単独公演を行うことも決定。 pic.twitter.com/wPBduZYDcv
ショー・エコノミクスという現象
アメリカでは数年前から、翔平選手がもたらす経済効果を”Sho-economics”のように呼んでいます。翔平選手の入団後、ドジャースはMLBの中でも集客力がトップとなり、ANA、ダイソー、興和、東洋タイヤなど日本企業の新規スポンサーも獲得しています。
関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、翔平選手の2024年の経済効果は約1,168億円とのことです。
"SHOHEI ECONOMY FOR BASEBALL"
— Raisa¹⁷ ⚾️💫 (@hunniesho) December 10, 2024
that's some king type of flex right there if you ask me 🎤 pic.twitter.com/V4noF2TC99
この人気を更に加速させるのが山本由伸選手、佐々木朗希選手の入団です。以前は複数のチームに分かれていた日本のMLBファン層が、彼らの入団によりドジャースに集中したそうです。「日本を青く塗りつぶせ/Painting Japan Blue」を目標に、二人の獲得を計画したドジャースは笑いが止まらないでしょう。
留まるところを知らない翔平選手の記録と人気ですが、今後も更に躍進すること間違いないでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!