アメリカのドナルド・トランプ大統領は、良くも悪くもその極端な言葉使いが注目されます。
彼がスピーチやSNSで多用する形容詞トップ10に注目し、その使い方、意図、そしてアメリカ社会との関係性を探ってみたいと思います。
心を鷲づかみにするトーク戦略
トランプ大統領が形容詞を多用するのは、単なる話し方のクセではなく、支持者や聴衆と感情的につながるための戦略なのです。

短くてわかりやすい言葉は耳に残りやすく、支持者の心にまっすぐ届く。SNS時代においては、「難しい言葉より、拡散される言葉」こそが力を持つ。それを熟知しているのがトランプ大統領なのです。
トランプ大統領が繰り返し使う形容詞トップ5【ポジティブ編】
トランプ大統領が頻繁に使う肯定的な形容詞と、その文例です。
- great:立派な、偉大な
I will build a great, great wall on our southern border. - incredible:信じられない
We have an incredible economy. - tremendous:膨大な、絶大な
We have a tremendous problem with illegal immigration. - beautiful:素晴らしい
We’re going to build a beautiful wall. - amazing:驚くべき
We have amazing people working for us.

これらは彼の実績や仲間を称賛する際に使われ、最上級表現を強調する傾向が高いことを示しています。
Make America Great Again(アメリカを再び偉大にしよう)は代表的なフレーズであり、greatは特にXの投稿や選挙演説において最も頻繁に使われた形容詞です。
トランプ大統領が繰り返し使う形容詞トップ5【ネガティブ編】
一方、彼の発言には強烈な批判を伴う形容詞も多く登場します。その辺の子供やオッサンと同レベルのボキャブラリーです。
- stupid:馬鹿げた
That’s a stupid question. - crazy:気が狂った
These people are crazy. - corrupt:腐敗、堕落した
The system is corrupt. - ridiculous:馬鹿げた
That’s ridiculous. - dishonest:不誠実な
The media is dishonest.

否定的な形容詞は、主に対立軸やメディア、制度への批判において多く使用されます。
敵味方の線がはっきりしているのもトランプ大統領の極端でもあり、面白いところです。
反体制・エリート派を惹きつけるパフォーマンス
歴代大統領のオバマ氏やケネディのスピーチは、知的で理性的です。一国のリーダーに相応しい話し方、という概念はどの国にもあります。

しかしトランプ大統領そのは真逆をやっています。
- 難しい単語は使わない
- 文法は単純で、繰り返しが多い
- 感情をはっきり示す
通常これらは下品とか粗野な印象を与えますが、実は“知的なエリート層への対抗策”として、大衆の支持を得るために意識して使用しているのです。
アメリカの文化的背景と反知性主義
トランプ大統領のようなレトリックが支持を集めた背景には、アメリカに根強く存在する“反知性主義”があります。
地方に住む多くの白人労働者層や中間層は、「ワシントンの政治家たちは自分たちを見下している」と考えており、エリート的な物言いに反発を抱いてきました。

この人たちからすると、トランプ大統領は学者でも政治家でもなく、自分達にも理解できる言葉で既得権益と正面から対峙してくれるヒーローなんです。
「本音を言ってくれる人」「自分たちの代表」として、多くの人々の心を動かすテクニックなんですね。
今回はイーロン・マスク氏のxAI社が開発した対話型AI、Grokを使ってリサーチをしました。
資料:Quantifying the Uniqueness of Donald Trump in Presidential Discourse、他
子供の頃、常に「超なんどか」という表現を使っていたことを思い出しました。極端であることは面白く、ひとの興味を曳く手段として効果があると認識していたのでしょう。
でもそれを一国の大統領がやっていることは本当に驚きでもあり、興味深いことです。引き続きチェックしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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