世界英語力ランキング1位!オランダが6年連続トップの理由を探る

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語学学校「EFエデュケーション・ファースト」が主催する、2024年の「英語能力指数」においてオランダが世界ランキング1位を獲得しました(日本は92位)。その背景とオランダ政府が実施してきた施策を探ってみたいと思います。


先ずは、なぜオランダが英語に力を入れる必要があったのかをみてみましょう。

背景1:国内市場が小さく海外市場を開拓する必要があった

  • オランダは人口約1,800万人の小国であり、国内市場だけでは経済成長が限られていた。
  • 必然として輸出や国際貿易への依存度が高く、ビジネス成長に英語が不可欠だった(2023年の同国の輸出額は世界4位)

背景2:英語を学ぶハードルが低かった

  • オランダ語は英語と同じゲルマン語族に属し、文法や単語が類似しおり他国より優位性があった
    • 例: 英語「water」=オランダ語「water」
    • 例: 英語「book」=オランダ語「boek」
    • 2024年英語能力指数の結果:フランス(49位)、スペイン(36位)、イタリア(46位)

元々英語と親和性のある言語だったというのはかなり有利ですね。国民の英語力を高めるための施策は以下ですが、恐らく何代にもわたって英語を話す家庭や社会環境で育つという点も他の国とはスタート地点が違うのではと思います。

1. 早期英語教育の導入

  • 小学校からの英語教育
    • オランダでは、7~8歳(小学校3年生)から英語を必修としており、学校によっては、4~5歳(幼稚園)から英語教育を開始するところもある。
  • バイリンガル教育(TTO: Tweetalig Onderwijs)
    • 1989年から始まったプログラムで、一部の中等教育学校では、授業の半分以上を英語で実施(数学、地理、歴史など)。

2. 教師の英語力向上

  • 英語教員の資格基準の強化
    • オランダでは小学校の英語教師でも高い英語能力(CEFR B2レベル以上)が求められ、中等教育では更に高いC1レベルが標準とされる。

3. メディアを活用した英語環境の整備

  • テレビや映画の字幕文化
    • オランダでは英語の映画やテレビ番組は、基本的に字幕付きで放送される(吹き替えはほぼなし)。

4. 高等教育での英語化

  • 大学の授業を英語で実施
    • オランダの大学では多くの学士・修士課程が英語で提供され、特に理系・経済・社会科学系の学部では英語を公用語とするプログラムが多い。
  • 研究論文の英語化
    • オランダの大学や研究機関では、ほぼすべての学術論文が英語で執筆される。

約20年前にアムステルダムに出張に行き、現地の方の英語力に驚かされました。その方が「国に資源がないので、国外で稼ぐために英語は必要」と話していたのを思い出しました。個人の意思とは関係なく、国が国民を導くという成功例だと思います。日本も優位性のある漢字読解能力を活かし、将来的にアジアでのビジネス機会を拡大できれば良いと思います。

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