【徹底解説】ドジャースGMが語った、大谷翔平の未来とムーキー・ベッツの起用法の全貌

夕暮れのドジャースタジアム スポーツ・アート

6月25日、ロサンゼルス・ドジャースのジェネラルマネージャー(GM)、ブランドン・ゴメス氏がMLBの公式ネットワーク番組に出演し、チームの最重要課題である大谷翔平選手の今後の投球プランと、ムーキー・ベッツ選手の起用法について、注目すべき発言をしました。

このインタビュー内容は、ドジャース専門のYouTubeチャンネルDodgers Nationでもホストのダグ・マッケイン氏によって詳しく解説され、ファンの間で大きな話題を呼んでいます。

「投手・大谷翔平」は今後どのような役割を担うのか?そして、打撃に苦しむムーキー・ベッツは遊撃手として起用され続けるのか?

本記事ではゴメスGMの発言とダグの解説を基に、ドジャースが描く未来の青写真を分析・解説し、ワールドシリーズ制覇を目指すチームの核心を探ります。

大谷翔平の投球プラン ― 「究極の保険」であり「最高のボーナス」

今月投手としての復帰を果たした大谷翔平選手。彼の起用法は、チームの投手戦略そのものを左右する重要な要素です。ゴメスGMは、その異例かつ柔軟なプランの核心を語りました。

ゴメスGMが語る基本方針:「翔平から得られるイニングは全てがボーナス」

ゴメスGMは、大谷選手の投手としての貢献を「無償で得られるイニング」と表現しました。これは、大谷選手が打者としてロースターに登録されているため、彼の登板が「投手13人」というメジャーリーグの投手枠を一切圧迫しないことを意味します。

つまり、彼が投げる1イニング、1球が、すでにリーグトップクラスの投球回を記録しているブルペン陣の負担を直接的に軽減する「追加ボーナス」となるのです。これはまさに、ルール上の「裏技」とも言えるドジャースだけの特権です。

なぜメジャーでリハビリ? 身体への負担を考慮した「賢明な判断」

当初、大谷選手はマイナーリーグで調整登板を重ね、徐々にイニングを伸ばしていくプランが想定されていました。しかし、チームはこのプランを変更し、メジャーの試合で登板しながらビルドアップを進めるという前代未聞の道を選びました。

ゴメスGMはその理由を、「マイナーでの調整登板と、メジャーでの試合に向けた打撃準備は、彼にとってダブルヘッダーのようなものだった。身体への負担が大きすぎる」と説明しました。

最高のパフォーマンスを維持するため、チームは大谷選手本人と密にコミュニケーションを取り、彼の身体を最優先する賢明な方法を選択したのです。これは、メジャーでの勝利に貢献しながらリハビリを進めるという、まさに一石二鳥のプランと言えるでしょう。

チーム状況で役割が変わる?「スライディングスケール」という最先端の起用法

では、具体的に大谷選手はどのような役割を担うのでしょうか。ホストのダグは、ドジャース関係者から得た感触として「スライディングスケール(変動制)」という非常に興味深い見解を示しています。

  • プランA:主力先発陣が健康な場合 グラスノー投手、山本由伸投手、そして復帰を目指すスネル投手といったエース級が揃って健康であれば、大谷選手に過度な負担をかける必要はない。1〜3イニングを投げる先発や、他の投手との組合せでの起用が中心となり、試合の大部分は打撃に集中させる
  • プランB:先発陣に離脱者が出た場合 万が一、先発ローテーションにアクシデントが発生した場合、大谷は先発投手として5回、6回と長いイニングを投げられるようにビルドアップしていくポテンシャルを秘めている

つまり、大谷翔平という存在そのものが、チームの状況に応じて役割を変化させられる「究極の保険」となっているということです。ゴメスGMも「本人がどう感じているかを都度確認し、次のステップを決める」と語っており、この柔軟なプランがチームの戦略の根幹にあることを示唆しました。


ムーキー・ベッツは遊撃手として固定か? ― 攻守のバランスという課題

シーズン開幕前に二塁手から遊撃手へという衝撃のコンバートを経験したムーキー・ベッツ選手。彼の起用法についても、ゴメスGMは明確なビジョンを示しました。

GMが絶賛する遊撃守備:「彼はまだ成長できる」

ゴメスGMは、ムーキーの遊撃守備を「素晴らしい」「傑出している」と手放しで絶賛。その評価は、感覚的なものだけではありません。

実際に、守備の名手を示す指標であるOAA(平均より多く取ったアウトの数)においても、ムーキーはメジャーリーグの遊撃手の中で上位10%以内に入る数値を記録(2024年6月時点)しており、データ上でも彼が優れた遊撃手であることが証明されています。

さらにGMは、「彼はまだ遊撃手として最高のレベルに達していない。これからもっと良くなるだろう」と、その計り知れないポテンシャルに絶大な信頼を寄せています。

浮上する懸念:遊撃守備の負担は打撃に影響しているのか?

一方で、今シーズンのムーキーは打撃面で苦しんでいます。OPS(出塁率+長打率)などの主要な打撃指標は、彼のキャリアの中でも低い水準に留まっており、ファンやメディアからは「慣れない遊撃守備の負担が、打撃に影響しているのではないか?」という声が上がっています。

ホストのダグもこの点を指摘しており、彼が直接ムーキーに質問したところ、本人は「影響はない」と明確に否定したそうです。しかし、捕手を除いて最も運動量が多く、精神的にも集中力を要する遊撃というポジションが、30歳を超えたスーパースターの打撃に何らかの影響を与えている可能性は、多くの人が感じているところでしょう。

GMが示した方針:「現時点でのプランは遊撃手」

こうした懸念がある中でも、ゴメスGMは「遊撃手起用が我々のプランだ」と明言しました。チームとしては、ムーキーが遊撃手という重要なポジションを守りながら、本来のMVP級の打撃を取り戻すことを信じ、サポートしていく構えです。

彼が攻守両面で最高のパフォーマンスを発揮した時、ドジャースはさらなる強さを手に入れることになることでしょう。彼の今後のバッティングの復調が、ポストシーズンを戦い抜く上での大きな鍵となることは間違いありません。

まとめ

ゴメスGMが語ったプランは、ドジャースがいかに柔軟にチームを運営しているかを明確に示していますね。

  • 翔平は、投手陣の状況に応じて役割を変化させられる、前例のない「ジョーカー」であり、チームに選択肢と安定をもたらす「究極の保険」
  • ムーキーに対しては、彼の類稀なアスリート能力と精神力を信じ、遊撃手という新たな挑戦を全面的にバックアップ

GMの仕事は利益の最大化ですから、状況に応じた策を講じるというのは基本としても、「二刀流のことは翔平に聞け」という姿勢を通しています。前例がないので、どこまでできるのかは本人にしかわからないんですね。

常識にとらわれない彼らの挑戦が、チームを悲願の世界一へと導くのか。今後のドジャースから目が離せません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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