「mRNAワクチンは本当に安全なのか?」新型コロナのパンデミック以降、こうした問いが多くの人々の中に芽生えました。
その中で、異彩を放つ存在がロバート・マローン博士です。彼はmRNAワクチン技術の初期開発に関わった科学者でありながら、ワクチン政策への批判を続け、アメリカの医療体制全体に異議を唱えてきました。
2025年、トランプ再選政権のもとで厚生長官に就任したロバート・F・ケネディJr.の招きにより、マローン博士はCDCのワクチン諮問委員に就任。これをきっかけに、アメリカでは医療行政の根幹が揺らぎ始めています。
今回は、マローン博士やその活動について探ってみたいと思います。
ロバート・マローン博士とは?
マローン博士は1959年生まれのアメリカ人医師・生化学者です。1980年代後半、カリフォルニア州のサルク研究所で、mRNAを脂質ナノ粒子に包んで細胞に取り込ませる実験に成功し、後のmRNAワクチン技術に大きな道を開いた人物とされています。

にもかかわらず、新型コロナのmRNAワクチンが普及しはじめると、博士は公然と「安全性が不十分であり、接種は慎重にすべき」と発言を始めます。
この主張は医療界の主流と対立し、多くのメディアやSNSで「誤った情報」と攻撃されることとなりました。
なぜmRNAワクチンに異を唱えるのか?
マローン博士が懸念しているのは、技術そのものではなく、「安全性試験の不備」と「政府・製薬会社による急速な普及のあり方」です。mRNAワクチンは、理論的には有望で画期的な技術ですが、博士は以下のような点を問題視しています。
- 動物実験のデータが十分に公開されていない
- 長期的な副反応についての情報が欠如している
- 子どもや若年層への一律接種に科学的根拠が薄い
- ワクチンに疑問を持つ医師・研究者の発言が排除されている現状
Dr. Robert Malone joined the call with a blunt warning.
— MAHA Alliance (@MAHA_Alliance) July 24, 2025
If the 1986 vaccine immunity deal made you angry, this pesticide bill should enrage you.
“What we're encountering here is something that is right at the heart of the MAHA movement, even more than the vaccine agenda.”… pic.twitter.com/w287oJBNMb
こうした懸念から博士は、ワクチン政策が科学というより政治・利権によって動かされていると警鐘を鳴らしているのです。
MAHA運動の台頭とCDCの改革
トランプ前大統領が2024年に再選されると、厚生長官に就任したのが“反ワクチン派”として知られるケネディ長官でした。
彼はMAHA(Make America Healthy Again)という新たな政策を立ち上げ、アメリカ人の健康を食・生活・環境から見直すと宣言しました。
このMAHA運動の一環として、ケネディ長官はCDCのワクチン諮問委員会(ACIP)の既存メンバー17人を一斉解任し、マローン博士を含む8名の新メンバーを任命しました。
🚨Dr. Robert Malone just REVEALED HHS officials went behind RFK Jr.’s back on a major decision.
— End Tribalism in Politics (@EndTribalism) July 20, 2025
While RFK Jr. was on vacation, the FDA approved a new Moderna Covid shot for vulnerable children.
He received no briefing and gave no sign-off on the decision.
Short Thread🧵 pic.twitter.com/H38mOvFn8J
従来の医師会や小児科学会は除外され、アウトサイダーだった人たちが中心に据えられたことで、医療界に衝撃が走りました。
多くの専門家・批評家は、新ACIPメンバーがワクチン科学の主流から乖離しており、公衆衛生の信頼性を損なう可能性があると警告しています。
特にクルドーフ博士(スウェーデン出身の生物統計学者)出身の生物統計学者、レビ博士(MIT研究者)、ペブスワース博士(看護師、活動家)は反ワクチン論者として知られ、科学的根拠より主張や抗議活動が前面に出る傾向が強く、透明性のある科学的判断が担保されていないとの指摘があります
アメリカで起きている医療改革の波
MAHA運動は、ワクチン政策にとどまらず、以下のような分野にも波及しています。
- 食品添加物や農薬の規制強化
- 製薬企業と政府の癒着に対する透明化政策
- 医療の自由選択権を保障する法案の導入
- 学校でのワクチン接種義務の見直し

これらの改革に対し、科学的根拠の軽視や、感染症再拡大のリスクを伴うという指摘もあり、アメリカ社会を二分しています。
これはもの凄い抵抗が想像できます。その裏には製薬企業、保険会社、医療従事者など多数のステークホルダーがいて、自由に膨大なマネーを動かしてきたのですから。
マローン博士はインタビューの中で、医師は自分の意志ではなく、政治や業界団体の意向に従い行動している」と発言しています。
マローン博士の著書と主張の広がり
マローン博士は、2023年に『Lies My Gov’t Told Me(政府がついた嘘)』という書籍を出版し、アメリカではベストセラー入りをしました。この本では、コロナ禍における政府の対応、メディアの情報統制、ワクチンの推進に至るまでの「隠された構造」を明らかにしようとしています。

彼はその中で、「科学は討論によって進化する」という信念を繰り返し強調しています。つまり、異なる意見や仮説が堂々とぶつかり合い、より正しい方向が導かれるべきであり、現在のように異論が排除される風潮は危険だというのです。
読者には「私たちは何を信じるべきか?」という根本的な問いを投げかけており、健康リテラシーの重要性を再認識させられる内容となっています(英語版のみ)。
批判的な評価と今後の課題
マローン博士の主張への反論、科学的根拠に乏しいなどの指摘や、集団免疫に悪影響を及ぼす可能性という点では、主流の医学界からの激しい抵抗は当たり前です。
これまでは科学・保険関係の巨大組織という絶対的権力に対し、生活者は従うしかなかったのですから。でもmRNAワクチンの大規模接種により、多くの一般人が強い疑問を持つようになりました。
まだ水面下ですが、やがて日本にも影響を及ぼすことを期待しています。すでに日本でも「ワクチンの副反応」や「食の安全」「四毒抜き」など、健康をめぐる議論が徐々にですが高まっています。
MAHAの考えは、自分と家族の健康は自分でコントロールしよう、というものです。個々人が問題意識を持ち、膨大な税金が投入される保険制度を厳しく監視する必要があると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。